日本二分脊椎症協会 石川支部

 
二分脊椎とは

二分脊椎とは



「二分脊椎症」だなんて、耳慣れない言葉かも知れませんね。

二分脊椎症って、生まれたときに脊椎に生じる病気の一種です。これになるといろいろな部位に‘障害’が生じ、多くの方は身体障害者になります。

二分脊椎症の障害について、解説します。

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人の体は脳と、脳からの命令を伝える神経組織によって動いていますが、そのメインの神経の束を脊髄をいい、脊柱(脊椎骨)の中に納まっています。

二分脊椎と言うのは、その脊椎骨が先天的に形成不全となり、本来ならば脊椎の管の中にあるべき脊髄が脊椎の外に出て癒着や損傷しているために起こる様々な神経障害の状態を言います。主に仙椎、腰椎に発生しますが、稀に胸椎、頚椎にも生じ、その発生部位から下の運動機能と知覚が麻痺し、内臓の機能にも大きく影響を及ぼします。

出生後速やかに脳神経外科医か小児外科医によって手術をします。二分脊椎の半数以上に水頭症が合併します。脳や脊髄は脳脊髄液が満たされた骨の中にあるのですが、この脳脊髄液の循環器機能が阻害されて脳圧が上がってしまうと脳神経に重大な障害を引き起こすため、脳圧を一定に保てる様に「シャント」という管で脳室と心臓または腹腔を短絡し、脳脊髄液を逃がす手術をします。

二分脊椎に因る運動機能障害は多岐にわたり、特に下肢の麻痺や変形、膀胱・直腸障害に因る排泄障害が見られ、その為、二分脊椎の治療、医療管理には脳神経外科、小児外科、泌尿器科、整形外科、リハビリテーション科を中心に眼科、皮膚科、内科等を含め、トータルなケアが必要とされています。また、様々な障害の程度があり、各々に合わせた適切な医療、教育、就職、結婚の問題までケースワークが求められています。


                              〜 機関紙 『道』 より抜粋 〜

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